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長距離とは?

 
長距離輸送とは、文字通り長距離の配達を行うもので、中距離も含め主に片道300km超える距離を走る業務になります。

長距離輸送には、定期便、チャーター便とありますが、定期便は、運賃、燃費、経費、物量などの観点から、大型トラックでの業務がほとんどですので、ここでは省略します。

中型車の長距離輸送での多くはチャーター便となります。

チャーター便とは、1台いくらという契約で、物量、距離などを考慮した上での運賃契約になります。
実際は、物量は最大積載量の範囲以内、距離は関東、近畿、四国など大まかな地域になります。

例えば、4t車チャーターの場合、関東発なら三重県でも、大阪府でも運賃は同じ(近畿)、また、物量が、2.5tでも4tでも同じになります。


全国の運送会社には、必ずと言って良いほど固定の荷主様がいます。その荷主様が、全国への発送を行っている場合、運送会社は長距離を伴う業務となります。

例えば、通常、地場の定期便、専属便で契約している荷主様から、長距離輸送の依頼があった場合、フリーのドライバーがその業務を行うことになります。
この場合、荷物、運賃共に片道分なので、帰りの荷物(東京から大阪までの輸送だった場合は、大阪から東京の荷物)を運送会社が探すことになります。

そのため、帰りの荷物を探すことが困難な会社は、長距離輸送の配達を別の運送会社に委託する場合もあります。

もちろん、荷主様から往復分の荷物を依頼されることもあります。


荷物取り扱い業者

荷物取り扱い業者とは、通称『水屋』と呼ばれ、荷物と運送会社の仲介役のような会社です。

水屋は、主に運送会社から、荷物や、空トラックの情報を仕入れています。

例えば
東京のA社から「東京から大阪行きの荷物があるんだけどトラックが空いていない」
岩手のB社から「盛岡から東京行きの荷物があるんだけどトラックが空いていない」
京都のC社から「埼玉で配達終了のトラックが帰りの荷物を探している」
神奈川のD社から「青森で配達終了のトラックが帰りの荷物を探している」

このような、情報があった場合、水屋は、C社をA社に、D社をB社に紹介するといった具合に仲介業を行っています。

そのため、多くの運送会社は、水屋とのつながりを大事にしています。

もちろん、水屋に依頼したからといって必ず荷物、トラックが見つかるとは限りません。
帰りの荷物が無く、車中泊といったことも珍しいことではありません。

1ヶ月に1回頼む会社と、週に2、3回頼む会社とでは、やはり優先順位が付いてしまうのも仕方ないことですから。

また、全国に支店のある会社などでは、水屋に頼まなくとも、帰りの荷物が見つかりやすいのもメリットです。



例として、ある運転手さん(埼玉に車庫)の1週間の流れを紹介します。

月曜日

15時出庫→16時得意先にて積み込み→17時半積み込み完了→滋賀県に向け出発(一般道)→途中1時間30分の食事、仮眠休憩をとり翌7時半納品先に到着待機


火曜日

9時半京都にて荷卸完了、帰り荷を積みに京都へ移動→13時積み地到着、待機及び仮眠→18時積み込み完了→神奈川に向け出発(一部高速)→途中パーキングにて食事、風呂、仮眠計4時間→翌7時納品先到着、待機


水曜日

9時神奈川にて荷卸完了→11時半帰庫、待機→15時半積み地へ出発→17時半積み込み完了→19時帰庫、帰宅


木曜日

0時出庫→仙台に向け出発(一般道)→7時納品先到着、待機→9時荷卸完了→帰り荷待ちのため待機、仮眠→14時帰り荷を積みに同じ仙台市内に移動→16時半積み込み完了→岐阜に向け出発(全線高速)→途中パーキングにて、食事、風呂、仮眠5時間→翌6時納品先到着、待機


金曜日

9時半岐阜にて荷卸完了→帰り荷を積みに名古屋市内へ移動→12時積み地到着、待機、仮眠→17時半積み込み完了→東京へ向け出発(全線一般道)→2時半一旦帰庫、帰宅(風呂、仮眠)


土曜日

7時出庫→8時半納品先(東京都内)到着→9時荷卸完了→10時半帰社、待機→12時積み地へ出発→14時半積み込み完了(月曜、新潟着分)→16時帰社、帰宅




以上は、ほんの一例ですが、長距離輸送の大体の流れは分かっていただけたでしょうか?

高速使用は、会社にもよりますし、運行スケジュールにもよります。
荷主様から、運賃とは別に高速代が出る場合もあります。






長距離輸送の最大の敵は、やはり『睡魔』でしょう。昨今、ETCの普及で、高速代が安くなったと言っても、まだまだ、一般道を利用しての輸送をしている会社が多いのも事実です。
東京〜大阪の場合、高速を使えば6時間強ですが、全線一般道の場合12時間近くかかります。途中、事故や工事などの渋滞にはまってしまえば、もっとかかることもあるでしょう。

運賃の引き下げによる、ハードな運行スケジュールになっているのも長距離輸送の現実ですが、無くてはならない職種の1つです。

これからやろうと思っている方、事故には十分気をつけて、自信とプライドを持って頑張っていただきたいと思います。




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